育成・研修制度

HR理念

「国内外グループ各社の多様な人材を、グローバルなフィールドでたゆみなく育成する」
幅広い事業分野で、さまざまな国籍を持つ日本郵船グループの社員に向けて、一人ひとりが、その持てる能力を最大限に発揮できるようにと、HR(Human Resources)理念を2005年に定めました。次代を担う人材の育成を目指して、下記の向上に力を注いでいます。

  1. 1異文化や異質な考え方に対する包容力と柔軟性
  2. 2明確な目標を自ら設定し、周囲を引っ張っていくことができるリーダーシップ
  3. 3専門分野に止まらず広い視野を持って全般的な管理業務もこなせるマネジメント能力
  4. 4前例にとらわれない、新しい価値の創造に繋がる発想やアプローチ

【陸上職社員】

GHRによる人材の有効活用

人事グループGHR統轄チームと世界各極の人事責任者が連携し、組織・育成計画・育成手段・人材交流の4つの柱に基づく各種プロジェクトを推進しています。

  1. GHR(Global Human Resources)
    グローバルに事業展開する当社グループ全体を視野に入れた人事組織

グローバルな地域人事担当者の役割

世界各地に展開する当社グループ会社のグローバルな人材育成において、各地域統轄会社のRHR(Regional Human Resources Representative 地域人事担当者)が重要な役割を果たしています。
RHRが担当地域内各国のグループ会社と本社の掛け橋として、部門や国を超えて、人材育成についての情報共有や意見交換を行い、また本社への提案や報告を通してHR理念の推進と浸透に貢献しています。

研修・育成プログラム

企業の持続的な成長において最大の推進力となるのは人材です。
当社はHR理念に沿って、次の時代を担う人材の育成を目指し研修プログラムの充実を図っています。
これらの育成施策を通じて、企業理念“Bringing value to life.”に沿って、ステークホルダーの皆さまに貢献できるグループ社員の育成に取り組んでいます。

  • 階層別研修

    「包容力と柔軟性」「リーダーシップ」「マネジメント能力」や「新しい発想やアプローチ」を強化・伸張させる育成を目的とし、階層別研修を新入社員からマネジメント層まで実施しています。これにより、社員一人一人が活性化し、自身の持ち味を最大限発揮できることを目指しています。

  • NYKビジネスカレッジ

    NYKビジネスカレッジは、日本郵船グループ会社を対象とし、グループ社員の総合力強化を目指した研修体系です。経理・財務・法務といった一般的スキルから海運に関する専門知識やマネジメントまで幅広いラインナップで毎年50種以上の研修を用意しており、2022年度は約2,500名のグループ社員が参加しました。

    NYKビジネスカレッジ受講者数(グループ社員含む)

  • eラーニングプログラム

    日本郵船グループの一員として理解しておくべきコンプライアンスなどの知識やグループの取り組みについて学ぶことを目的に、国内外のグループ会社向けに実施しています。2022年度は7,500人以上が参加し、ESG経営、環境、行動規準などについて学んでいます。全世界のグループメンバーが同じプログラム通じて学ぶことで、グループの一体感を醸成するとともに、社会に貢献し選ばれる企業を目指します。

  • NYKデジタルアカデミー

    当社グループを取り巻く環境は、デジタル技術をはじめ、従来のビジネスモデルを根本から見直せねばならないほどの大きな変化が起きています。真の顧客ニーズを洞察し、主体性をもって革新・改革に取り組むビジネスリーダーを育成するため、2019年9月にNYKデジタルアカデミーを創設し、本アカデミー修了生は、累計61名になりました。(2023年7月時点)
    参加者は約9ヶ月間にわたり座学と演習を通して学びます。演習の中では、自力で社外との関係構築を進めて新規事業の創造に取り組み、これまでに実装へとつながった事例もあります。
    不確実性が高まる事業環境を生き延び、新しい時代を築くために人と組織のエネルギーを高め、社会に新たな価値を提供する事業を創造する力を高めることを目的とした研修プログラムで、当社グループの人材育成の重要な施策の一つとして運営しています。

  • 社内資格「運航マイスター制度」

    当制度は、安全運航の徹底、運航効率の向上を図るオペレーターの育成を目指して2009年度に設けられた社内資格制度です。受験対象は運航に携わり一定の研修を履修した者で、海外現地法人にも門戸を開いています。認定資格取得のためには研修の受講と筆記試験の合格が必要です。グループ全体の資格認定者数(累計)は、プラチナ15人、ゴールド192人、シルバー337人の計544名となりました(2023年3月末現在)

    運航マイスター認定者数

  • Global NYK Group Weekの実施

    2002年より、当社グループの世界の各拠点から選抜された管理職を対象に年に一度、東京本社にて集合研修“Global NYK Group Week”を実施しており、国や会社、部門の垣根を越えたネットワークの構築や、日本郵船グループのMission、Vision、Valueの浸透を図っています。また、NYK社長をはじめとする経営陣への提言プレゼンテーションや、経営陣を交えたディスカッションなどを通じて、事業運営への参画意識を高めることも目的としています。
    グローバル企業として、社員の多様性と挑戦する気概を尊重し、人材育成に力を注ぎ、夢と誇りを持って働ける日本郵船グループを目指しています。

【海上職社員】

当社独自の統一基準で船員を育成

船舶を安全に運航するためには優秀な船員を確保・育成することが重要です。船員の多国籍化が進む当社グループでは、すべての船員を独自の統一した基準で育成するために、三等航海士、三等機関士から船長、機関長に至るまで、それぞれの職位で必要な知識・技能を明確化し、「NYKマリタイムカレッジ」という研修体系を整え、船員を育成しています。

船員教育プログラム

より高いレベルでの安全運航と環境保全を達成するためには、船舶といったハードの改善やシステムの強化だけでなく、それを動かす「ヒト(船員)」の育成が不可欠です。当社では、当社グループの運航船の船員に要求する知識・技術の要件を「NYK Requirements」として定め、幅広い技術や高い専門性を習得するための船員教育プログラム「NYKマリタイムカレッジ」を整え、船員育成を進めています。新人船員へのOJT※1教育をはじめ、各船に当社開発のeラーニングプログラム“NYK-STARS※2”を導入し、船上でのスキルアップを図っています。陸上においては、世界各地の研修所および船舶管理会社において当社グループ統一の教材・カリキュラムを用いた講義やシミュレータを利用した高度な訓練を行っています。また休暇中の船員がオンラインで研修を受講できる“HELMS※3”を運用し、渡航制限下でも船員教育を継続できる体制を構築しています。

  1. ※1OJT
    On the Job Training
  2. ※2NYK-STARS
    NYK-Shipboard Training and Assessment Record System
    自動車専用船用のPCC-STARSなどの荷役に特化した船種別のSTARS、ディーゼルエンジン・スチームタービンエンジンなどの機関関連のSTARSなど、さまざまな種類がある
  3. ※3HELMS
    Handy E-Learning Management System

NYKマリタイムカレッジ受講者数(国籍別)

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により2019年度末より研修所で実施する講義が減少しています
  • 2021年度は“HELMS”の受講者が増加しました

NYKマリタイムカレッジは、船員の国籍や研修受講地にかかわらず、全世界 で均一な研修プログラムを提供し、効果的に技能向上を図れる仕組みです。