第133回創業記念式典で社長があいさつ
2018年10月2日
当社の第133回創業記念式典が10月2日、東京都千代田区の本店15階ホールで開催され、社長の内藤忠顕は次のようにあいさつしました。
あいさつの要旨
中期経営計画
当社グループは本年3月に中期経営計画「Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green」を発表し、今後のグループ経営方針として、グループの事業運営を柔軟に見直すポートフォリオ経営を行うことを発表しました。事業の発展・改革に必要な資金を得るために資産の流動化を行う点を明示したのも今回の中計の特徴です。これを実行するには、グループ全体を見直さなければなりません。別の言い方をすると、諸先輩方が創業以来積み上げてきた内部留保を当社グループの未来を切り拓くために使わねばならない時が来ており、その限りある貴重な経営資源をどう有効活用するかが大変重要な課題であると認識しています。
一方で、先の見えない世の中であっても確実に進むであろう“Digitalization and Green”については、積極的に対応する方針です。技術の進歩は速く、特にデジタル技術は日進月歩であることは言うまでもありません。デジタル技術を事業運営の効率化やコスト削減に活用し、さらには顧客ニーズの変化に柔軟に対応するための手段とする必要があります。また、環境負荷低減に取り組む“Green”には、次に挙げる3つの目的があると考えています。一つ目は「環境規制強化に対する100%の対応」、二つ目は「省エネの実行」、そして三つ目は「環境変化から生まれる新しい商機の発見」です。受け身ではなく積極的に取り組むことで、来たるべきグリーン社会へのシフトに対応可能な企業体質を作り上げねばなりません。皆さんの身近にある環境対応のヒントを目ざとく見つけ出していただきたいと考えます。
グループガバナンスの再構築も当社グループの最重要課題の一つです。日本貨物航空株式会社が国土交通省から航空機の不適切な整備作業に関し2016年10月に厳重注意を受け、本年7月に同省から行政処分を受けたことは、誠に痛恨の極みであります。独禁法等に関する遵法活動を全社的に行い、法令遵守への意識は根付いてきたと考えていましたが、現場では様々な他の力が働いていた、という事実の判明にほかなりません。法令遵守の社会的要請の高まりという時代の変化に、我々はついていけず、有効な対策を適切に取れていなかったと痛切に反省をしています。
社会的要請に応えつつ経営戦略の実行に邁進するためには、グループ全体のガバナンスがしっかり機能していることが重要です。社会的信用の維持を絶対的必要条件と捉え、グループのガバナンスを再構築したいと考えています。
新たな価値創造
先の見えない世の中においては従来のビジネスモデルに限界が生じており、ビジネスモデルの革新・変革によって今の状況を打破する必要があります。当社グループは長い歴史の中で、何度も危機に陥り、困難に直面し、その中で新しい環境に適応して発展してきた歴史があります。例えば、日本の自動車輸出量が著しく増加し従来の在来船での輸送に限界が生じた時、顧客ニーズを素早く掴み、短時間で船積みができ、かつ荷役作業によるダメージを減らせる自動車専用船へ進出した決断がその一例です。頻発する輸送中の完成車へのダメージを減少させる方法として、カウンタークロックワイズという積み付け法を他社に先駆けて考案し、それがお客様からの評価に繋がり当社の自動車専用船事業が拡大・発展していきました。
現在の当社グループは、かつてないほどに厳しい状況にある、と私は考えています。従来どおりのことを続けてもマーケットが戻ればなんとかなる、という他人任せの発想を捨てなければ生き残ることはできない、と感じています。今までの常識を疑い、あらゆる視点から他社とのサービスの差別化を図ること、それを粘り強く実行することでしか次の時代を作り出すことはできません。これは危機をチャンスに変えるときでもあります。創意工夫で絶えず半歩先への精神で、新たな価値創出に向け一緒に頑張りましょう。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。