世界初のLNG燃料供給船「ENGIE ZEEBRUGGE」が竣工
―LNG燃料のさらなる普及・発展に貢献―
2017年2月15日
写真提供:ENGIE
当社およびENGIE SA(以下 ENGIE)、 三菱商事株式会社(以下 三菱商事)、FLUXYS SA(以下、FLUXYS)が共同で設立した液化天然ガス(LNG)燃料供給船保有会社が韓進重工業(本社:韓国、Hanjin Heavy Industries & Construction Co., Ltd.)に建造発注していたLNG燃料供給船が本日、韓国・釜山にある韓進重工業Yeongdo造船所で竣工しました。
この世界初のLNG燃料供給船は「ENGIE ZEEBRUGGE」と命名され、今後ベルギー・Zeebrugge港へ向かい、同港を拠点としてUnited European Car Carriers社(本社:ノルウェー・オスロ)が運航する自動車専用船をはじめ北海・バルト海を航行する船舶へのLNG供給を開始します。
重油換算で年間約2億5千万トンといわれる船舶用燃料需要において、国際的な船舶の排出ガス規制強化(注)に伴い、LNGは重油に代わる有力な代替燃料と位置づけられています。その潜在的な需要規模は極めて大きいものの、普及には供給インフラの整備が大きな課題となっていました。陸上のLNG供給施設と異なり、ENGIE ZEEBRUGGEの就航で船舶が希望する地点でのLNG燃料供給が可能となるため、LNG燃料の普及拡大への大きな契機になると期待されます。
当社グループは一昨年日本初のLNG燃料タグボートの運航を開始、昨年9月にはENGIE、三菱商事と共に船舶向けLNG燃料の供給・販売に関する全世界ブランドとなるGas4Seaを立ち上げたほか、建造を進めていた世界初のLNGを燃料とする自動車専用船が竣工しました。
当社グループは、今後、LNG燃料供給船の運航を通じて習得する知見やノウハウをもとにパートナーと共にLNG燃料供給・販売サービスを世界的に展開し、持続可能な地球社会のため、海事産業における省エネ運航の発展に貢献していきます。
【LNG燃料供給船「ENGIE ZEEBRUGGE」 概要】
全長: 107.60m
型幅: 18.40m
型深さ: 9.00m
総トン数: 7,403トン
主機関: Dual Fuel(低硫黄Marine Gas Oil, Marine Diesel Oil及びLNG)
LNGタンク容量: 5,100m3 (Type Cタンク)
船籍: ベルギー
船級: Bureau Veritas
造船所: Hanjin Heavy Industries & Construction Co., Ltd., Yeongdo Shipyard (釜山)
船舶管理: NYK Energy Transport (Atlantic) Ltd., (NYK LNG Shipmanagement (UK) Ltd.)
(注)
(1)航行船舶の排出ガス規制:船舶から排出される窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、二酸化炭素(CO2)の排出規制が年々強化されており、特にSOxについてはさらなる低減が義務付けられる見込み。2010年に国際海事機関(International Maritime Organization略称IMO)の提案でSOxの排出規制値は、ECA海域(北海、欧州バルト海域、北米領海域)では2015年に現行基準の1.0%から0.1%へ引き下げられたほか、一般海域では2020年より現行基準の3.5%から0.5%へ引き下げられることが決定済み。
(2)LNG燃料の利点:LNGはSOxや粒子状物質(PM)の原因物質を含まないことから、従来の重油と比較してSOx、PMの排出量をほぼ100%削減することが可能。CO2排出量は約30%、NOx排出量も最大80%削減することができるため、船舶に対する排出ガス規制への有力な対応策といわれている。
<ENGIE SA>
(1) 本店所在地:フランス・パリ
(2) 事業内容:電気・ガス事業、ガストレーディング、ガス輸送、発電事業等を展開。
LNG引取実績も豊富。
(3) 代表者: CEO Isabelle Kocher
(4) 設立:2008年7月22日
(5) http://www.engie.com/en/
<三菱商事株式会社>
(1) 本店所在地:東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
(2) 事業内容:地球環境・インフラ事業、新産業金融事業、エネルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業の7グループに、ビジネスサービス部門を加えた体制にて、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開。
(3) 代表者:代表取締役社長 垣内 威彦
(4) 創立:1954年7月1日
(5) http://www.mitsubishicorp.com
<FLUXYS SA>
(1) 本店所在地:ベルギー・ブリュッセル
(2) 事業内容:天然ガス関連インフラ(パイプライン、貯蔵基地、輸入基地)の運営、
操業。
(3) 代表者:Chairman of the Executive Board and CEO, Pascal De Buck
(4) 設立:1975年
(5) http://www.fluxys.com/
<参考リンク>
1. 2014年7月2日発表 世界初のLNG燃料供給船を建造
―GDFスエズ・三菱商事と共同でLNG燃料供給船保有及び船舶用LNG燃料販売事業に参入―
http://www.nyk.com/release/3131/003355.html
2. 2015年10月29日発表 当社がベルギーで共同参画するLNG燃料供給事業に新しいパートナーが加わる
http://www.nyk.com/release/3560/004129.html
3. 2016年9月6日発表 LNG燃料供給・販売で全世界ブランドのGAS4SEAを新発表
http://www.nyk.com/release/4207/004420.html
4. 2016年9月30日発表 世界初、LNG燃料の自動車専用船「AUTO ECO」が竣工
-優れた環境性能と耐氷性を持つUECCの1番船-
http://www.nyk.com/release/4207/004442.html
5. 2016年11月29日発表 LNG燃料の自動車専用船「AUTO ECO」命名式がベルギー・ジーブルージュ港で開催
http://www.nyk.com/release/4207/004540.html
以上
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。