「風と海の学校 あきた」 - 地域に新たな風を吹き込む人材育成の拠点
公開日:2025年01月22日
更新日:2025年01月22日
日本郵船は、秋田県・北海道と締結している包括連携協定に基づき、地域の活性化に向けた取り組みを進めています。その一環として、秋田県男鹿市に開設された「風と海の学校 あきた」は、洋上風力発電に関わる人材育成の重要な施設として注目されています。本記事では、この学校の役割や地域活性化への貢献、さらに地域の未来を切り拓く取り組みについてご紹介します。
地域密着の取り組み
当社は、2022年2月に秋田県との間で包括連携協定を締結しました。この協定は、それぞれが有する人的・物的資源を有効に活用して、地域の活性化と県民サービス向上の推進等を図ることを目的としています。当社は、秋田県における再生可能エネルギー事業の推進と関連人材の育成をはじめ、船舶関連の人材育成、港湾活用、観光振興、環境保全活動、地方創生などについて、秋田県と連携して取り組んでいます。
そのような中、2022年4月に設置された秋田支店を拠点として、秋田県や近隣県の洋上風力発電関連事業における営業体制強化や、各県の関係先とのネットワーク拡充をさらに推進しています。特に洋上風力発電は地元密着の事業であり、長期にわたるプロジェクトです。当社は、この取り組みを通じて地域に新たな雇用を生み出し、技術者や船舶乗組員の育成に力を入れています。
「風と海の学校 あきた」の役割
2024年4月、日本海洋事業株式会社とのコンソーシアムで、船員や洋上風力発電の作業員を育成する訓練センター「風と海の学校 あきた」を秋田県立男鹿海洋高等学校内で開所しました。本訓練センターでは、
- 作業員向け基本安全訓練(GWO SS)
- 船員向け基本安全訓練(STCW訓練)
- シミュレータによる作業員輸送船(CTV*など)の操船訓練
※CTV: 洋上風車と陸を結ぶ作業員輸送船(Crew Transfer Vessel)
本訓練センターの設立により、秋田県内外から多くの人々が訪れ、宿泊や飲食の需要が生まれることで地域経済にも寄与しています。また訓練を通じて秋田への注目が高まることが期待されています。
地元のコミュニティとの連携
「風と海の学校 あきた」は、男鹿海洋高校の生徒へのシミュレータ開放や、近隣の小中学生を対象とした施設見学会を実施しています。また地元の中学生や保護者を招待して客船「飛鳥Ⅱ」の見学会を開催するなど、地域の人々に船の仕事を身近に感じてもらう取り組みも行っています。さらに、秋田市内の公立小学校には「うんこドリル 海の物流」を寄贈し、海の仕事に関する出張授業も実施しています。地域の子供たちが海運業界に対する理解を深め、子供たちの将来的なキャリアの選択肢が広がることも目指しています。
秋田県男鹿市の中学生を「飛鳥Ⅱ」船内見学会に招待
秋田支店の下村支店長は、「地域と共に成長・発展していく共創モデルを目指しています。当社が秋田に来たことで賑わいや新たな経済活動を創出し、さらに人が集まり、新たな事業機会が生まれることを期待しています」と語ります。協力している地元企業からは、洋上風力発電に必要な部品やサービスを提供してもらい、相互に利益を享受する関係も築いています。地域に根ざした活動を通じて、地方創生に貢献することを目指しています。
このような取り組みを通じて、地域の皆さんとの信頼関係を築き、共に発展していくことが当社目指す姿です。
洋上風力発電の未来
当社が取り組む洋上風力発電は、再生可能エネルギーの一環として、持続可能な社会の実現に向けた重要なプロジェクトです。日本のエネルギー政策においても、洋上風力発電は重要な位置を占めています。日本郵船は、このプロジェクトを通じて環境負荷の低減を目指し、地域社会と共に未来を切り拓くことを誓っています。
日本郵船は、地域に新たな風を吹き込む人材育成の拠点「風と海の学校 あきた」を通じて、地域の活性化に寄与します。これからも地域と共に成長し、持続可能な未来を築くための取り組みを進めていきます。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです