プレスリリース

JAXAの宇宙戦略基金事業に海運会社で初めて採択

船舶を利用し、宇宙事業に参画へ

当社はこのたび、宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)の宇宙戦略基金事業「将来輸送に向けた地上系基盤技術」A)再使用機体の回収系に係る地上系基盤技術開発(以下「本事業」)に採択され、4月17日にJAXAと本事業のキックオフミーティングを実施、研究開発を開始しました。当社は、主にロケット本体の研究開発を担う三菱重工業株式会社(以下「三菱重工」)と連携しながら、再使用型ロケットの洋上回収船の研究開発、事業化を進めます。JAXAの宇宙戦略基金に採択されるのは、海運会社としては初となります。

<盾(©JAXA)の贈呈>
右から
本事業Program Officer 神武 直彦 氏(慶應義塾大学⼤学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授)
当社執行役員 山本 泰

<キックオフミーティング後の記念撮影>


当社は2023年3月に発表した中期経営計画“Sail Green, Drive Transformations 2026 - A Passion for Planetary Wellbeing - ”で宇宙関連事業を新規事業の一つとして定め、2023年4月には先端事業・宇宙事業開発チームが発足しました。中核事業である海運業で培った技術や知見を活用し、(1)洋上でのロケット打ち上げ、再使用型ロケットの回収など船舶を利用した宇宙事業、(2)衛星データの利活用、(3)宇宙産業のサプライチェーンの高度化(ロケット・衛星の部品調達から打ち上げ、衛星の軌道投入までのサプライチェーン全体の最適化、高度化)、の3つの領域で事業開発を進めています。

JAXAの宇宙戦略基金事業として採択されたのは「将来輸送に向けた地上系基盤技術」における「再使用機体の回収系に係る地上系基盤技術開発」です。再使用可能なロケットを洋上で安全に捕獲、回収し、運搬することを可能とする洋上回収船の基盤技術の開発に取り組み、検証試験を進めます。

本事業における具体的な取り組みは以下のとおりです。

1. 以下の技術、要件を組み合わせることによる、外洋での運用を可能とする洋上回収船の開発
・機体捕獲技術:洋上での定点保持技術を活用し、再使用型ロケットを短時間で捕獲する技術
・安全化技術:捕獲した再使用型ロケットを固定し、残留推進薬を安全に排出する技術
・着陸用甲板開発:再使用型ロケット着陸時の噴流と衝撃に耐える甲板構造および仕様
・遠隔運用技術:機体捕獲から安全化処置までの間、洋上回収船を遠隔で運用する技術
・ガイドライン整備:洋上回収船の運用計画、保守計画、設備要件を基にしたガイドラインの整備

2. 洋上回収船の試作船の製作、地上および洋上での実証試験の実施

3. 洋上回収船に関する概念設計承認(Approval in Principle、「AiP」)の取得

当社は三菱重工を始めとするパートナーとの共創を通じて本事業での技術開発を進め、株式会社MTIを始めとするグループ会社とも連携しながら再使用型ロケットの洋上回収の事業化に向けて取り組みます。そしてグループの技術力、知見を結集して宇宙関連事業を推進し、宇宙産業に今までにない価値を創造することを目指します。

以上

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