日本郵船株式会社
日本シップヤード株式会社
最高水準の安全対策アンモニア燃料船の安全運航の実現へ
日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)と日本シップヤード株式会社(以下「日本シップヤード」)が共同で開発し、2026年11月に完成予定のアンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC: Ammonia-fueled Medium Gas Carrier、以下「本船」)は、機関室に対する優れたアンモニア安全策を備えた船舶であることを示す船級符号の付記(ノーテーション)(注1)「Machinery Room Safety for Ammonia (以下「MRS」)」を本船竣工時に一般財団法人日本海事協会(以下「ClassNK」)から世界で初めて取得する予定です(2024年8月 ClassNK調べ)。
MRS取得は、本船にアンモニア燃料船の安全要件(ガイドライン)における最高水準の安全対策が施されていることを意味します。
背景
日本郵船、日本シップヤードが所属するコンソーシアムは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業(注2)の助成の元、2026年11月末竣工に向け本船の設計開発を進めています。そこでは、機関室内の「毒性の克服」が大きな課題の一つで、本船の配管やタンクから漏洩しない設計など船員の安全を守る対策が必須であり、コンソメンバーによるリスク評価、機関長・機関士を中心とするユーザー目線からのリスク評価・安全対策の立案、世界最高水準の安全性を実現する本船仕様を検討してきました。
船級符号の付記(ノーテーション)「MRS(Machinery Room Safety for Ammonia)」の概要
ClassNKのアンモニア燃料船の安全要件(ガイドライン)には、船内でアンモニアを安全に使用するための最低限の設計要件が規定されています。MRSを取得するためには、新たに制定された「機関室内で漏洩したアンモニアが人員に曝露する危険性を最小化する機能要件(任意適用)」を満足している必要があり、追加の要件を満たしたことにより安全性が高い船舶にのみ与えられる船級符号への付記です。
今後の展開
2026年11月竣工に向けた詳細検討の継続や、実運航に向けた運航マニュアルの整備等を進めます。さらにMRSの取得をはじめとした技術的なノウハウ・実績を活かし、関係会社共にアンモニア燃料船のさらなる安全性の向上を目指して協力します。
本船概要
各社概要・お問い合わせ先
社名 | 概要 | 問い合わせ先 |
日本郵船株式会社 | 本社:東京都千代田区 代表者:代表取締役社長 曽我貴也 ウェブサイト:https://www.nyk.com/ |
広報グループ 報道チーム メールアドレス:NYKJP.ML.MEDIA@nykgroup.com |
日本シップヤード株式会社 | 本社:東京都千代田区 代表者:代表取締役社長 檜垣清志 ウェブサイト:https://www.nsyc.co.jp/ |
管理部 総務グループ 電話:045-212-8205 メールアドレス:info@nsyc.co.jp |
(注1)船級符号への付記(ノーテーション)
各船級協会が一定の要件を満たした船舶やシステムなどに与える付記。
(注2)グリーンイノベーション基金事業
「2050年カーボンニュートラル」に向けてエネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションといった現行の取り組みを大幅に加速するため、NEDOが2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などに対して、最長10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する基金制度。グリーン成長戦略において実行計画を策定している重点14分野を中心に支援が行われる。
以上
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その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。