• プレスリリース

当社グループ初 風力推進アシスト装置の搭載を完了

~翼の気圧差で生み出される推進力で温室効果ガス削減へ~

当社グループのNYK Bulkship (Atlantic) N.V.(エヌワイケイバルクシップアトランティック、本社 : ベルギー・アントワープ、以下「NBAtlantic社」)が保有するばら積み船「NBA MAGRITTE(エヌビーエー マグリット)」(以下「本船」)への風力推進アシスト装置の搭載工事が7月8日にオランダのロッテルダム港で完了しました。本船はCargill (カーギル、本社: 米国)との長期定期傭船契約に投入されます。風力推進アシスト装置の搭載は当社グループ初の取り組みです。

本船に搭載されたEconowind B.V.(エコノウィンド社、本社 : オランダ)社製の2基の風力推進アシスト装置「VentoFoil」(ヴェントフォイル)は全長20フィート(約6メートル)のフラットラック(一部の壁や天井がないコンテナ)を土台に、船上に約16メートルの翼を立ち上げ、サクション・セイル(吸引帆)(注)の役割を果たし、吸引することで約5倍の力を生み出す装置です。

「VentoFoil」の特徴

・翼の両面の気圧差で推進力を生み出すことで、温室効果ガス(GHG)の削減が見込まれる。
・翼に空けられた吸い込み口から風を取り込み、気圧差を増幅させることでより強い推進力が得られる。
・ブリッジ(船橋)に設置されたタッチパネルを操作することで容易に起動と格納ができ、乗組員の負担を増加させずに作業が可能。
・同種の装置としては小型であり、搭載や移設が容易。
・約5~6分で折りたたむことが可能であり、折りたたんだ状態で荷役作業が可能(以下動画参照)。

「VentoFoil」が起動している様子             

出帆の様子   



NBAtlantic社は、カーギル・インターナショナル社、輸送に関する研究開発を行う当社グループ会社MTIと共同で、航海中の気象・海象や本装置が生み出すスラスト(推進)力などのデータを集め、効果検証を進めていきます。

これは当社が掲げる外航海運事業におけるGHG削減長期目標「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」に向けた取り組みの一環で、当社グループは得られた知見を研究開発に活かし、風力の利用を含めたさまざまな省エネ技術に関する取り組みを推進します。

(注) サクションセイル(吸引帆)は、吸気機構を有する構造物で風を受け、同機構により当該構造物のまわりの流体の境界層を制御することによって揚力を得る形式の風力推進です。

日本郵船グループは、中期経営計画 “Sail Green, Drive Transformations 2026 - A Passion for Planetary Wellbeing - ” を2023年3月10日に発表しました。“Bringing value to life.”を企業理念とし、2030年に向けた新たなビジョン「総合物流企業の枠を超え、中核事業の深化と新規事業の成長で、未来に必要な価値を共創します」を掲げ、ESGを中核とした成長戦略を推進します。
本取り組みは、当社における、海上、陸上、ターミナル等のモードを問わず、モノ運びを通じてGHG排出を低減し、お客様のサプライチェーンに還元していく取り組みを対象としたブランド「Sail GREEN」の一環です。

今回の取り組みが特に貢献するSDGsの目標

以上

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