~安全航行の実績を積み上げ、海上輸送の脱炭素化を推進~
当社は5月2日、当社として初となる大型原油運搬船(VLCC: Very Large Crude Oil Tanker)「TENJUN(天順)」(以下「本船」)によるバイオ燃料(注1)の長期使用試験航行を開始しました。本船はシンガポールでバイオ燃料の供給を受けたあと、約3カ月間の航行を行い、バイオ燃料を長期間使用した際の安全性や安定調達などの総合的な検証を行います。
当社はこれまで、ばら積み船や自動車専用船、液化石油ガス(LPG)船へバイオ燃料を供給、短期間から長期間にわたる安全航行のトライアルを実施してきましたが、VLCCでの長期試験航行は初の取り組みです。
この取り組みでバイオ燃料による安全航行の実績を積み上げ、バイオ燃料の開発促進に資するとともに海上輸送での脱炭素化を推進。当社グループの目標である温室効果ガス(GHG)を30年度までに21年度比で45%削減することに貢献します。
バイオ燃料は、廃食油などの生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料としており、燃焼時の二酸化炭素(CO₂)排出量は実質ゼロとみなされます(注2)。重油焚き船舶エンジンでも使用可能なため、重油からゼロエミッション燃料への過渡期でGHGの排出を削減する有力な手段とされています。
本船概要
全長 : 333.00メートル
全幅 : 60.00メートル
総トン数 : 159,927トン
載貨重量トン数 : 302,108トン
建造年 : 2008年
造船所 : 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド造船所(広島県呉市)
日本郵船グループは、中期経営計画 “Sail Green, Drive Transformations 2026 - A Passion for Planetary Wellbeing -
”を2023年3月10日に発表しました。“Bringing value to life.”を企業理念とし、2030年に向けた新たなビジョン「総合物流企業の枠を超え、中核事業の深化と新規事業の成長で、未来に必要な価値を共創します」を掲げ、ESGを中核とした成長戦略を推進します。
本取り組みは、当社における、海上、陸上、ターミナル等のモードを問わず、モノ運びを通じてGHG排出を低減し、お客様のサプライチェーンに還元していく取り組みを対象としたブランド「Sail GREEN」の一環です。
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(注1)バイオ燃料
植物油脂のメチルエステル化によって精製され、石油由来の重油や軽油の代替燃料として期待されています。
(注2)バイオ燃料は燃焼時に二酸化炭素(CO₂)を排出するものの、原料となる植物はCO₂を吸収してバイオマスを再生産するため、直接燃焼におけるCO₂排出量は実質ゼロとみなされることから、「カーボンニュートラル」を実現する化石燃料の代替物として注目されています。
今回の取り組みが特に貢献するSDGsの目標
以上
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