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アジア開銀主催のフォーラムで当社の脱炭素戦略を講演

~バイオ燃料の役割強調、海事産業から唯一登壇~

当社はフィリピン・マニラで5月17日に開催されたアジア開発銀行主催のAsia and the Pacific Transport Forumに初参加し、脱炭素グループ長の小泉卓也が当社の脱炭素戦略(発表テーマ:"Role of Biofuel and Just Transition in Maritime Decarbonization")について講演しました。海事産業からの登壇は当社だけでした。

小泉は講演で、温室効果ガスの段階的な排出量削減が求められる中、バイオ燃料(注1)が脱炭素化を進める海運業界で重要な役割を担う可能性があることを強調しました。

バイオ燃料は、農業残渣(ざんさ)や廃食油などの生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料としており、燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量は実質ゼロとみなされます(注2)。多くの大型外航商船で採用されている重油焚き船舶エンジンでも使用可能なため、重油からゼロエミッション燃料への過渡期で温室効果ガス(GHG)の排出を削減する有力な手段とされています。

一方で、こうしたバイオ燃料を連続で使用することによって生じる様々なリスクは十分に評価されていないため、シンガポールを拠点とする非営利団体 Global Center for Maritime Decarbonization(GCMD)と船上でのバイオ燃料の継続的な使用を試みる6ヶ月間の共同プロジェクトを立ち上げました。得られた知見をバイオ燃料の継続的かつ広範な使用に利用されるガイドラインとして公開することを予定しており、本プロジェクトは国際海運のエネルギー転換を率先し、脱炭素化に貢献するものです。

また、当社はマニラ近郊で、商船大学NYK-TDG MARITIME ACADEMYを2007年から共同運営するなど、船員の育成や教育に長年取り組んでいます。現在、卒業生の多くが安全運航の一役を担うポジションで活躍しており、バイオ燃料利用などの燃料転換による公正な脱炭素社会への移行を実現していきます。

イベント詳細

イベント名:Asia and the Pacific Transport Forum 2024 / ADB-Japan Sustainable Transport Technology for the Future
イベントURL:Asia and the Pacific Transport Forum 2024 | SEADS
主催:アジア開発銀行(Asian Development Bank)


(注1)バイオ燃料
植物油脂のメチルエステル化によって精製され、石油由来の重油や軽油の代替燃料として期待されています。

(注2)バイオ燃料は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出するものの、原料となる植物はCO2を吸収してバイオマスを再生産するため、直接燃焼におけるCO2排出量は実質ゼロとみなされることから、「カーボンニュートラル」を実現する化石燃料の代替物として注目されています。

今回の取り組みが特に貢献するSDGsの目標

以上

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