当社は2023年1月5日、東京都千代田区の本店で商事始め式を開催し、長澤社長が新たな年にあたりあいさつを述べました。
皆さん、新年明けましておめでとうございます。なかなかコロナが収まらない状況が続いておりますが、こうして、世界中で働かれているNYKグループの皆さんとともに新年を迎えられること、大変うれしく思います。年頭に当たり、皆さんにひと言、ごあいさつを申し上げます。
発表の通り、2022年度通期は連結経常利益、純利益共に1兆円超を見込んでおり、前年度の過去最高益を更新する見込みです。Ocean Network Express社、郵船ロジスティクス株式会社、日本貨物航空株式会社をはじめ、不定期専用船事業などでもきちんと収益を上げられている状況が続いており、これもひとえにグループ社員皆さんの日々の頑張りのたまものだと思っております。この場を借りて皆さんに敬意を表すると共に、感謝申し上げたいと思います。ぜひ、発表した通り、もしくはそれ以上の結果を残せるよう引き続きみんなで頑張っていきましょう。
さて2023年の世界動向ですが、今年は明らかに過去2年とは事情が異なると考えています。長引くコロナの影響、ロシア・ウクライナ情勢などをきっかけに起きているエネルギー価格の高騰、世界中でのインフレ、またそれによる金融引き締めにより景気後退懸念が叫ばれています。欧州をはじめ各地で個人消費が落ち込み、これまで収益を牽引(けんいん)してきたOcean Network Express社の事業環境も潮目を迎えており、NYKグループ全体としても試される1年になります。ですが皆さん、あまり悲観的になる必要はありません。以前からこれまでのような強い追い風は長く続かないと予想しており、この2年間でできる限りの準備をしてきました。具体的にはドライバルクの構造改革、さまざまな部分でのコスト低減など、将来への懸念を払拭するよう、努めてきました。状況は大きく変わっていきますが、一人ひとりがこれまで通り自分の役割を全うできれば必ずや良い結果に結び付けられると信じています。
さて今年3月に2023年度より始まる新たな中期経営計画(以下、「中計」)の発表を予定しています。今まさに経営陣で大詰めの議論を行っていますが、重要なポイントは2点です。
1点目はESG経営についてです。次期中計でもESG経営をさらに前進させることは論を俟(ま)ちません。これまで何度も話してきたように、今の社会から強く要請されているESGを前進させることでその期待にしっかり応え、そして社会からの支持を受けることで当社グループの企業価値向上につなげていくことができると確信しています。
具体的に、E(環境)の面では、脱炭素へ向けての行動をさらにグレードアップする必要があります。昨年はコロナ禍によるさまざまな影響で、残念ながら当社グループのGHG排出量が増加してしまいました。来年一月にはEU-ETSがいよいよ海運業にも適用され、CO2がコストになる日が既に近くに来ています。
2050年ネット・ゼロエミッションを宣言し、社会に責任を負っていることを改めて自覚し、あらゆる手段を講じて実現を目指します。みんなで力を合わせて脱炭素を推し進めていきましょう。
S(社会)の面では、ご存じの通り人権プロジェクトや昨年末に初めて実施したグループエンゲージメントサーベイなどの結果を踏まえ、NYKグループ社員が縦、横、斜めでものを言うことで自身を高められる企業風土、職場環境を整え、一人ひとりが輝いて働けるようにしていきたいと思っています。G(ガバナンス)については、企業価値向上に資する経営判断を適切に行うための体制整備を続けていきます。また過去の不祥事を真摯(しんし)に反省し、内部統制の強化も重要な課題として認識しています。
今、申し上げたESGに関することは、皆さん一人ひとりに直結することです。この年頭の機会にぜひESGに関して自分にできることは何か? また組織としてやるべきことは何か? 考えてもらいたいと思います。
もう1点は資本政策です。1点目のESG経営の推進と重なる部分はありますが、幸いにも劇的に改善した財務体質を背景に、どういった部分に資本を投下していくかということです。この絶好の機会に、将来のNYKグループ、またNYKグループの体質をより強靭化するための積極的な投資が必要になります。例えば更新投資や環境に関する投資、あるいは新規事業である洋上風力、自律運航などの次期収益源への投資、また格段の成長を期待する物流業への投資、人材の質と量を確保するための投資、攻めも守りもあるDXへの投資などです。さらには、支えていただいている株主に対する還元も重視した上での骨太の資本政策が求められており、これも中計でしっかり示していきたいと思います。
最後になりましたが、2023年は皆さんがNYKグループという大きな舞台の上で、自分らしく躍動し、そして成長されることを切に願っています。海・陸・空それぞれの現場の最前線で働く皆さん、それをサポートする皆さん、そしてそのご家族の健康と安全を切に願いまして、私の年頭のあいさつとさせていただきます。
以上
掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。