ナカシマプロペラ社、流体テクノ社と協業
7月7日、当社は、ナカシマプロペラ株式会社(以下「ナカシマプロペラ社」)、流体テクノ株式会社(以下「流体テクノ社」)と、船尾部の水の流れを改善し、燃費効率を向上させる省エネ装置(以下「省エネ付加物」)の効果検証、ならびに省エネ付加物の最適な組み合わせの選定、および既存船舶への導入を行う業務提携契約を締結しました。これに伴い、今後3年間で、当社が運航するドライバルク船のうち、約50隻に最適な省エネ付加物を新たに導入し、燃費効率の向上による既存船舶からの温室効果ガス(Greenhouse Gas、以下「GHG」)排出削減を目指します。
船舶は、通常、水から受ける船体の抵抗や、流れの乱れが少なくなればなるほど省エネルギー運航が可能となるため、船舶用工業界や造船業界では船体に取り付けることで抵抗の軽減や流れの改善を可能とするさまざまな省エネ付加物の開発が進んでいます。一方で、個々の省エネ付加物の効果は製造した船舶用機器メーカーによって検証されているものの、異なる船舶用機器メーカーが製造した複数の省エネ付加物の相乗効果や、最適な組み合わせの検証が課題となっていました。
この課題解決のため、当社は、船舶のプロペラや省エネ付加物を開発・製造する船舶用機器メーカーのナカシマプロペラ社、流体解析の技術力を持つ船体設計会社の流体テクノ社と協業します。
これは海事産業における新しい試みといえ、三社の持つ知見や強みを活かし、複数の省エネ付加物のベストミックスに共同で取り組むことを通じて、従来比で1%から8%の燃費効率改善と、それに伴うGHG排出削減効果が期待されます。
省エネ付加物の例
当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」(※)を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。2022年3月24日には、2021年度のESG経営の具体的な取り組みと施策、超長期視点での持続可能な成長戦略を紹介する「NYKグループESGストーリー 2022」(※※)を発表しました。外航海運事業におけるGHG排出量削減の長期目標「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」に向けた過程では、ゼロエミッション船の研究開発に加え、重油を燃料とする船舶の燃費効率改善も重要な課題です。当社は本業務提携契約の締結をはじめとしたパートナーとの協業を推進し、当社グループのESG経営を力強く推し進めるべく、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。
※NYKグループESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下リンクよりご覧いただけます。
※※NYKグループESGストーリー2022
「NYKグループESGストーリー」で掲げたESGの経営戦略への統合に向けた具体的な取り組みと、2021年度の施策を紹介した資料。詳細は以下リンクよりご覧いただけます。
本取り組みは、日本郵船における、海上、陸上、ターミナル等のモードを問わず、モノ運びを通じてGHG排出を低減し、お客様のサプライチェーンに還元していく取り組みを対象としたブランド「Sail GREEN」の一環です。
各社概要
ナカシマプロペラ株式会社
本社 : 岡山県岡山市
代表者:代表取締役社長 中島 崇喜
ウェブサイト:https://www.nakashima.co.jp/
事業内容:船用機器の開発・製造・販売、環境改善装置の開発・製造・販売
流体テクノ株式会社
本社 : 長崎県佐世保市
代表者:代表取締役 玉島 正裕
ウェブサイト :https://fluidtechno.com/
事業内容:船舶流体計算、推進性能推定・水槽試験、省エネ付加物の開発・販売
以上
掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。