カーボンニュートラル社会の実現に貢献
日本郵船株式会社
Knutsen Group
日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)とノルウェーのKnutsen Group(クヌッツェン・グループ)は、液化二酸化炭素(液化CO2)の海上輸送・貯留事業に関する新規事業開拓およびマーケティングを行う合弁会社を設立しました。新会社名はKnutsen NYK Carbon Carriers AS (クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ、以下「KNCC社」、注1)とし、日本郵船とKnutsen Groupで50%ずつの出資比率となります。今後、KNCC社は常温での液化CO2の輸送・貯留を可能にするKnutsenが独自に持つPCO2®という技術を使用した液化CO2輸送船の開発を行います。また、PCO2®以外の技術を用いた低中圧型の液化CO2輸送船の開発も検討していきます。
CO2を回収して転換利用や貯留を行うCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage、注2)は、カーボンニュートラル社会を実現するための有効な手段として期待されています。そのバリューチェーンにおいて液化CO2輸送船は、液化されたCO2を貯留および利用する拠点まで輸送する役割を担うものとして、将来的な需要の拡大が期待されています。
バウローディングシステム(注3)を備えた液化CO2輸送船のイメージ
日本郵船とKnutsen Groupは、将来のカーボンニュートラル社会実現に向けて新技術の採用とさらなる開発に向けた革新的なアプローチを続けています。日本郵船とKnutsen Groupは、世界有数のシャトルタンカーオペレーターであるKnutsen NYK Offshore Tankers(クヌッツェン・エヌワイケイ・オフショア・タンカーズ、KNOT)を共同で事業展開している関係であり、KNCC社においても陸上および沖合での液化CO2の積み込みと積み下ろしを含む、高度な輸送技術を顧客に提供します。
KNCC社の設立は、CCUSバリューチェーンに参画するための重要な足がかりとなり、今後、日本郵船とKnutsen Groupの両社は、運航および船舶管理に関する豊富な知識を組み合わせて、KNCC社を通じて中小型だけでなく、大型の液化CO2輸送船の運航も早期に実現します。
日本郵船の欧州地域統轄会社であるNYK Group Europe Ltd.の社長兼CEOであるSvein Steimler(スヴェイン・スタイムラー)と、Knutsen Groupのオーナー兼社長であるTrygve Seglem(トリグべ・セグレム)が、それぞれKNCC社の取締役会長および副会長になります。 また、Anders Lepsøe(アンダース・レプソー)氏を同社のCEO(最高経営責任者)に任命しました。 Lepsøe氏は、石油・ガス、金融、および海運業界での豊富な経験を持ち、幅広い国際ビジネスにおけるバックグラウンドがあります。
Svein Steimler NYK Group Europe Ltd.社長兼CEOのコメント:
KNCC社を設立することで、日本郵船は、パリ協定で定められた目標を達成するために特に重要となる液化CO2の海上輸送を、日本郵船の戦略とグリーンビジネスプランに沿った形で提供する土台が整った事になります。
Trygve Seglem Knutsen Group オーナー兼社長のコメント:
野心的な気候目標を達成するための鍵となるソリューションを開発できたことを嬉しく思います。 PCO2®テクノロジーとオフショアオペレーションにおける一流の能力と経験を組み合わせることで、既存および新規の顧客に安全で定期的な液化CO2の海上輸送を提供することができます。
KNCC社の詳細および連絡先については、ウェブサイトをご覧ください: http://www.kn-cc.com
KNCC
社の概要
本社所在地:ノルウェー・ハウゲスン
事業内容 :液化CO2輸送船および貯留技術の研究開発、液化CO2の海上輸送・貯留事業に関する新規事業開拓およびマーケティング
出資比率 :日本郵船 50%、Knutsen Group 50%
CEO :Anders Lepsøe
Website : http://www.kn-cc.com
各社概要
<日本郵船株式会社>
本社: 日本・東京
代表取締役社長:長澤 仁志
ウェブサイト:https://www.nyk.com/english/
<Knutsen Group>
本社: ノルウェー・ハウゲスン
CEO:Trygve Seglem
ウェブサイト:https://knutsenoas.com/
(注1) この段階では、KNCC社は準備目的でのみ設立されており、今後正式な設立のために関連する規制当局からの承認が必要となる場合があります。
(注2) CCUSバリューチェーン
CCUSとは「Carbon capture, utilization and storage」の略で、CO2の回収・利用・貯留を指しています。火力発電所や工場などから排出されるCO2を回収し、作物、化学薬品、建設資材などの生産工程で利用するか、安定した地下の地層に貯留を行います。その過程で液化CO2輸送船が重要な役割を果たします。
(注3) バウローディングシステム
洋上及び港で使用されるタンカーの船首から荷役作業を行うためのシステム。また、緊急時に速やかに離脱する目的で、荷役ホースの接続および切り離しが通常のタンカーの荷役システムと比べて容易です。
以上
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