船上電子通貨MarCoPayで
当社は、当社グループの船舶管理子会社の乗務船員に対して、当社とフィリピンのTDG社(Transnational Diversified Group、注1)が運営するマルコペイ社(MarCoPay Inc.、注2)発行の電子通貨による給与支払いをスタートさせました。
2020年3月に世界で初めて、試験的に洋上で電子通貨を流通させることに成功した後、フィリピンの各省庁から電子通貨による船員への給与支払いについて承認を得て、この度、南アフリカ・ダーバン沖を航海中のLNG(液化天然ガス)運搬船と、日本沿岸を航海中のコンテナ船に乗船しているフィリピン人船員に対し、マルコペイ社が発行した電子通貨で給与の一部が支払われました。
以前より船舶に多額の現金を届けること、およびその現金を船上に保管しておくことが安全上の理由からも大きな課題となっており、特に昨今の新型コロナウィルス禍では、給与支払い・受け取り手段が大きく制限される中、マルコペイ社の電子通貨プラットフォームを活用することで、船員及び船舶管理会社にとって新たな選択肢が一つ増えたことになります。
今後、新規乗船者より登録を進め、2021年中に当社グループで船舶管理している約200隻の船舶全てを対象に毎月の給与の一部の電子通貨支給をスタートさせます。また、マルコペイ社は電子通貨の導入を他社の管理船にも順次拡大していきます。
MarCoPayイメージ図
当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」※を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。当社グループのESG経営を力強く推し進めるべく、今後も積極的にデジタル技術を活用することによって船員のより豊かな暮らしを実現させ、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。
※NYKグループ ESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。
(注1)Transnational Diversified Group
主に物流事業、船舶の代理店業と船員供給事業、旅行業、情報通信技術などを手がける40以上の事業会社で構成されるフィリピンの複合企業グループで、再生可能エネルギーや農業、不動産などへの投資も行っている。当社とは設立時の1976年から協力関係にあり、現在はフィリピンにおける戦略的パートナーとして連携を強化している。
(注2) MarCoPay Inc.
フィリピン・マニラに設立した船上電子通貨プラットフォームの開発を行っているベンチャー企業。出資比率は当社50%、TDG社50%。
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以上
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