当社は、スウェーデンに本社を置くNorthern Offshore Group AB社(以下NOG社)の子会社であるNorthern Offshore Services AS社(以下NOS社)と洋上風力発電向け作業員輸送船(以下CTV、注1)に関する裸傭船契約(注2)を締結しました。新造CTV船“Energizer”(以下本船)を当社が保有の上NOS社に対して長期裸傭船を行い、NOS社の運航のもと、主に欧州域内の洋上風力発電所へ作業員の輸送を行います。
日本政府は2050 年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボン・ニュートラルの実現を目指す事を宣言しました。中でも洋上風力発電は、将来の重要な電力源として位置づけられ、2040 年までにその発電能力を拡大し、3000万~4500万キロワット(大型発電所に換算して30基分以上)の導入を目指すなど、今後の市場拡大が最も期待される分野の一つです。その中でCTVは、洋上風力発電の設置並びに運用時に、洋上の作業現場設備と陸上拠点の間を移動する作業員を運ぶ重要な役割を果たします。
NOGグループは、洋上風力発電の導入が進んでいる欧州において約60隻のCTVを運航する最大手です。当社は2019年12月に同社とCTV事業における協業に関する覚書を締結しており、今回の裸傭船契約はその一環で、当社初のCTV保有となります。
本船は、NOS社が独自開発した最新鋭のCTVであり、余剰電力や船内発電機、建設段階の風力発電設備から充電可能な大容量バッテリーが搭載されており、ハイブリッドモードとすることで、燃料消費と排出ガスの削減を実現し環境負荷低減に貢献します。
また、当社は今回のCTV保有参画と同時に、NOS社への技術者派遣にも合意しており、洋上風力で先行する欧州にて運航・船舶管理に携わることで、国内CTV事業展開への準備を加速します。引き続きNOGグループとの連携を軸に、CTV事業を通じて洋上風力発電普及への貢献を目指してまいります。
当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」※を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。当社グループはESG経営を力強く推し進めるべく、洋上風力発電の普及に貢献することを通じ、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進します。
※NYKグループ ESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。
提供:NOG社
洋上風力発電事業における当社グループのサービススコープ
(注1)作業員輸送船(Crew Transfer Vessel、CTV)
洋上風力発電設備の建設や、発電開始以後のメンテナンス用に作業員を輸送するための船で、長さ20~40m程度のアルミ製双胴船。高速航行時に安定性が高く、洋上施設への乗降を安全に行える機器を搭載している。
(注2)裸傭船契約(Bareboat Charter Contract)
船舶の所有者が、船舶を、船舶上の器機や付属の什器備品とともに貸し出すこと。船員を配乗せず「裸」の状態の船を貸し出す事からこう呼ばれる。傭船契約にはこのほか、定期傭船契約(一定の期間、船長・船員を配乗させ輸送能力を備えた船舶による輸送サービスを提供すること)、航海傭船契約(特定の船舶により特定貨物を特定の時期・区間、条件で運送を引受けること)等がある。
Northern Offshore Group ABの概要
本社所在地:Gothenburg, Sweden
事業内容:CTV事業、舶用燃料運搬船事業
関連プレスリリース
以上
掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。