最新技術を搭載し、更なるGHG削減を目指す
当社はLNGを主燃料とする自動車専用船4隻(以下、「本船」)の建造契約を招商局南京金陵船舶有限公司(以下、「招商局南京金陵船舶」)(注1)と締結しました。本船は2022~2023年に竣工する予定で、主に欧州航路や中近東航路への投入を想定しています。
本船は、主機関にWinGD社製「X-DF2.0 iCER」(注2)を世界で初めて採用することで、排気ガス中のメタン分を半減させ、燃料消費量の改善とともに更なるGHG(温室効果ガス)削減に寄与します。またバッテリーハイブリッドシステムを搭載することで、主機関・発電機関の負荷変動をバッテリーで軽減し、燃費改善を図ります。LNG燃料化とこれら新技術の搭載、船型改良が貢献し、従来の重油焚き船に比べ硫黄酸化物(SOx)を約99%、窒素酸化物(NOx)を約96%削減するのに加え、最大で約40%超の二酸化炭素(CO2)排出削減(輸送単位当たり)を見込んでいます。
これら本船の発注は、2050年までに輸送単位当たりのCO2排出量を半減させる当社の環境経営目標の達成に向け、今後約10年間に建造する約40隻の新造自動車専用船をすべてLNG燃料船とする計画の一環です。2030年代半ば頃からは水素やアンモニアなど、より環境負荷の低い舶用燃料を用いたゼロエミッション船への切り替えを目指します。
当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」※を2021年2月3日に発表し、よりクリーンな輸送サービスの提供を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めており、自動車船隊における次世代環境対応船へのリプレースの推進もその取り組みの一つです。当社グループはESG経営を力強く推し進めるべく、気候変動に対応した事業戦略を通じ、「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。
今回発注したLNG燃料自動車船の完成イメージ
本船4隻の概要
全長:約199.90メートル
型幅:約38.00メートル
最大積載自動車台数:約7,000台
総トン数:約72,800トン
船籍:未定
関連プレスリリース
(注1)招商局南京金陵船舶
本社:中華人民共和国 南京市
事業内容: 造船業
(注2)WinGD社製「X-DF2.0 iCER」
WinGD社の燃料消費効率にすぐれた低圧式二元燃料主機関で、メタン分排出を最大50%、燃料消費量をガスモードで3%、ディーゼルモードで5%削減する最新技術iCERを装備している。
※NYKグループ ESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。
https://www.nyk.com/news/2021/esg-story_01.html
以上
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