環境問題への継続的な取り組みを表明
当社は1月14日にオンラインで開催されたイベント「CDP 2020 Aリスト企業アワード」に参加し、代表取締役社長の長澤仁志が優秀企業スピーチを行いました。
「CDP 2020 Aリスト企業アワード」は、国際環境非営利団体CDP(注1)の評価において「気候変動」、「水セキュリティ」、「フォレスト(森林)」の各部門で最高評価となるAリストに選定された日本企業を集めて開催され、優秀企業スピーチでは各社の代表者より、それぞれの経営指針や環境問題への取り組みが紹介されました。
今回「気候変動Aリスト」に選定された企業は、評価対象となった全世界の約5,800社のうち273社であり、うち日本企業は53社、海運会社は当社を含め2社となっています。
当社は主に下記の取り組みを評価されました。
- 気候変動対策への経営トップの明確なコミットメントに基づくEMS(Environmental Management System)が有効に機能していること
- 環境問題に対する「リスクと機会」の認識・評価が適切になされていること
- SBTイニシアチブ(注2)から科学的根拠に基づく目標としてSBT認定がなされた中長期環境目標(注3)に基づき、GHG(Greenhouse Gases、温室効果ガス)の削減を進めていること
- GHGの排出量や削減量を含め、透明性の高い環境関連情報の開示がなされていること
- グリーンボンド、グリーンローン、サステナビリティ・リンク・ローンなど、各種のグリーンファイナンスへ積極的に取り組んでいること
- LNG燃料の導入や普及、各種燃節活動を通じたGHG排出量の低減へ積極的に取り組んでいること
- 水素やアンモニアをはじめとするゼロエミッション燃料の実用化に向けた研究や実証事業へ積極的に取り組んでいること
長澤からは「気候変動Aリスト」選定への謝意とともに、環境問題を含め地球規模の課題に取り組む当社のESG経営について説明がなされ、「『経済性』に加え『ESG』という2つ目のモノサシを全ての社員の行動基準へ加えることを徹底しグループ全体の意識革命を図っていく」という決意が述べられました。
要旨は以下の通りです。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
この度の「Aリスト」選定は、非常に名誉なことであり、日本郵船グループ全体で喜びを分かち合いたいと思います。
当社の中期経営計画、「Staying Ahead 2022 with Digitalization & Green」では、環境を重要課題の一つと位置付けており、中長期的なGHG排出量の削減目標の達成について、全社的な議論を真剣に行ってきました。今般、「Aリスト」選定という外部評価を得られたことは、大きな自信に繋がりますし、今後の展開への後押しになる、と考えています。
環境問題を含めたESGという地球規模の課題に対して、真摯に取り組まない企業は今後淘汰されていくでしょう。特に気候変動への対応については、当社のような国際物流に従事している企業が中心となって、サプライチェーン全体を見直す動きをリードしていくべきだと考えています。このような時代や社会の要請に応えられる企業を目指すべく、当社では、グループ全体の意識革命を図っていく所存です。具体的には、2月に発表する 「NYKグループ ESG ストーリー」の中で触れますが、社員の全ての行動基準に、これまでの「経済性」という指標に加え、「ESG」という2つ目のモノサシを入れることを徹底していきたいと考えています。
社会に必要とされる企業を目指し、全てのステークホルダーの皆様と共に脱炭素社会の実現に向けて、今後も努力して参る所存です。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
当社は中期経営計画“Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”においてESGと経営戦略の統合を掲げており、今後も気候変動対応における世界の先進企業として関連情報開示に努めるとともに、事業活動を通じ社会の持続的な発展に貢献する活動を推進します。
(注1)CDP
環境問題に高い関心を持つ世界の機関投資家や企業・団体の要請に基づき、企業や自治体に、気候変動対策、水資源保護、森林保全などの環境問題対策に関して情報開示を求め、また、それを通じてその対策を促すことを主たる活動としている非営利団体。2020年度は、世界の時価総額約50%にのぼる約9,500社の企業がCDPを通じて環境情報開示を行った。また、世界で数百の自治体もCDPを通じて環境情報開示を行っており、環境問題に関して世界で最大の情報開示プラットフォームの一つとなっている。
※CDP気候変動Aリストおよび回答企業のスコアは、以下のURLよりご覧ください。
https://www.cdp.net/en/companies/companies-scores
(英語)
(注2)SBTイニシアチブ
産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるため、企業による科学的根拠に基づいたGHG排出削減目標達成を推進することを目的として、気候変動対策に関する情報開示を推進する機関投資家の連合体であるCDP、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の4団体により設立されたイニシアチブ。2020年12月22日時点で、世界546の企業が認定を受けており、日本企業では当社が20社目となります。
(注3)中長期環境目標
「トン・キロメートル当たりのGHG排出量を2015年比で2030年までに30%削減、2050年までに50%削減する」という当社が設定した目標。目標達成のために、ハードウェアの技術開発やデジタライゼーション進展より見える化・効率化・最適化に努め、配船、運航や荷役効率の向上、ゼロダウンタイムの実現に取り組んでいる。
参考
関連プレスリリース
以上
掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。