~AI操船の有効性を確認~
12月9日、当社グループの株式会社MTI、株式会社日本海洋科学(JMS)は国立大学法人神戸大学、公立大学法人大阪 大阪府立大学と共同で研究する「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」(注1)の一環で大阪湾において実船試験を行いました。
1.人工知能(AI)を活用した避航操船実船試験の概要
本研究では、AIの一手法である深層強化学習(試行を繰り返すことで自律プログラムが最適な行動選択を学習する機械学習手法の一つ)を応用し、膨大な数の航海シミュレーションを通して、徐々に最適な避航行動を学習し、様々な状況下で安全性と経済性に優れた避航操船行動を選択できるプログラムの開発を目指しています。開発しているAI 操船機能は、船舶操船空間におけるリスクをレーダー・AIS(船舶自動識別装置) などのセンサー情報をもとにAIが把握し、自動で最適な針路を選択、その針路を既存のオートパイロット(注2)に伝送することにより操船制御を行うものです。
JMSの操船シミュレーターでのプログラムの操船能力の定量的評価や熟練操船者による評価を実施後、今回大阪湾において神戸大学附属練習船「深江丸」の操船システムとAI操船支援システムを連結して実船試験を実施し、航行中の他船や障害物に対する避航行動を確認・評価しました。
実船試験に使用した「深江丸」
深江丸での実船試験の様子
2.今後の展開
当社及び当社グループは、今回の実船試験で得た知見を用いて更にシステムの改良を重ね、引き続きパートナーとの協業により、将来的にAI操船支援システムを使った大型船の操船の実現を目指し、有人自律運航船および無人運航船への技術展開にも取り組んでいきます。
(注1) 「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」
国土交通省の「平成 30 年度交通運輸技術開発推進制度」に採択されている共同研究事業。
(注2) オートパイロット
あらかじめ本船で設定した針路や速度に従って、自動で機械が操縦する装置のこと。
※当社グループは中期経営計画〝Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”においてESG課題と経営戦略の統合を掲げ、事業活動を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を推進しており、デジタル技術の活用やパートナーとの技術開発の取り組みは以下の目標達成に寄与します。
当社グループの有人自律運航船/無人運航船の実現に向けたさまざまな取り組み
以上
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