~水素サプライチェーンの循環に成功、水素社会の実現を目指す~
当社が参画している次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(英語名:Advanced Hydrogen Energy Chain Association for Technology Development、略称:AHEAD)(注1)は世界初となる水素を輸送する国際実証試験を本格的に開始しました。本事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より助成を受けて国際間で水素サプライチェーン構築の実証試験を行うもので、これまでブルネイで生成したメチルシクロヘキサン(MCH)を海上輸送し、川崎市内に設置した脱水素プラントで水素を分離し、東亜石油(株)の水江発電所のガスタービン向けに供給してきました。このたび、脱水素で分離したトルエンをブルネイへ輸送し、再度水素と結合させる処理(注2)を開始したことにより、
一連の流れからなる水素サプライチェーンの循環が完成し、安定稼働に入りました。
実証試験概要
<実証試験概要イメージ図>
- 水素輸送能力
- フル稼働時210トン/年(燃料電池自動車フル充填 約4万台相当)
- 当社の役割
- 海上輸送に関するスタディや航海関連データの提供
フォワーディング業務を担当する当社子会社の郵船ロジスティクス株式会社、海上輸送を担当する当社関連会社のOcean Network Express Pte.Ltd.(ONE)との連携
実証事業のこれまでのマイルストーン
- 2017年7月
- AHEAD設立
- 2019年11月
- ブルネイ側水素化プラント完成
- 同 12月
- MCHが日本に初到着
- 2020年4月
- 川崎側脱水素プラントでMCHから水素の分離を開始
- 同 5月
- MCHから取り出した水素を発電所内ガスタービンに供給開始
- 同 6月
- 川崎側脱水素プラントで分離したトルエンをブルネイへ輸送し、再度水素と結合させる処理を開始
- 同 12月
- 実証試験終了(予定)
当社水素事業の今後の展望
今後当社は水素の輸送にとどまらず、舶用燃料としての水素活用技術の開発も含めた水素社会の実現に取り組み、究極のクリーンエネルギーと言われる水素に関わるビジネス機会を的確にとらえ、サプライチェーン全体に関わっていきます。
(注1) AHEADの概要
名称 :次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合
組合員:千代田化工建設株式会社、三菱商事株式会社、三井物産株式会社、日本郵船株式会社
ウェブサイト:https://www.ahead.or.jp/jp/
(注2) 千代田化工建設のSPERA水素®技術
千代田化工建設のSPERA水素®技術は、有機ケミカルハイドライド法と呼ばれるものです。
資源国で調達した水素とトルエンを化学反応によりMCH(メチルシクロヘキサン)という常温常圧で液体の物質に変換(水素化反応)して貯蔵輸送し、水素需要国にてトルエンと水素に分離(脱水素反応)して需要家に水素を気体として供給するものです。
※当社グループは中期経営計画〝Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”において、事業活動を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を推進しています。
<関連プレスリリース>
以上
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