~情報統合型船橋で安全性・効率性も向上~
当社保有の新造船として初めてSOxスクラバー(注1)を搭載した大型原油タンカー「丹沢」が竣工しました。10月3日に命名引き渡し式がジャパン マリンユナイテッド株式会社の呉事業所で行われ、当社常務経営委員の河野晃をはじめ関係者が出席しました。
本船は主機関と発電機関の排気ガスの排出口にSOxスクラバーを搭載することで、2020年1月から強化される国際海事機関(IMO)が定めたSOx Global Cap規制(注2)に対応しています。
エネルギー効率(輸送単位あたりのCO2排出量)においては、IMOのEEDI規制(注3)の基準値から約23%の改善を見込み、同規制のPhase 2を達成しています。カーゴタンクに耐食鋼板を採用することで防錆塗装が不要となり、さらに、空調や冷凍機に環境規制に対応した冷媒を採用するなど、環境により配慮した原油タンカーです。
運航面に関しては、ブリッジに当社仕様の着座式の情報統合型船橋を採用しました。ブリッジ内レイアウトの最適化、デジタル機器の統合、全方向への視界確保により、安全性と効率性の向上が期待できます。
当社はお客さまの需要にお応えし日本向けの原油輸送の安定供給に貢献するとともに、環境に配慮した船舶の運航を通じて持続可能な地球社会の実現に貢献します。
<本船概要>
全長 339.5メートル
全幅 60.00メートル
深さ 28.50メートル
総トン数 160,597トン
載貨重量トン数 311,374トン
船籍 パナマ
(注1)SOxスクラバー
船舶の燃料中の硫黄分濃度に関する規制強化への対応手段の一つとされている装置。船舶のエンジンから排出されるSOx(硫黄酸化物)を含む排気ガスに海水を噴霧して硫黄分を除去することにより、SOx排出量を86%削減することが可能。
(注2)SOx Global CAP規制
船舶汚染防止国際条約1997年議定書(MARPOL条約附属書VI)の2008年改正に基づくSOxの排出規制。2020年1月1日以降、船舶の燃料油の硫黄分許容限度は、3.5% から0.5%に強化される。
(注3)EEDI規制
船舶汚染防止国際条約1997年議定書(MARPOL条約付属書VI)の2013年改正に基づく船舶のエネルギー効率の規制。EEDI(エネルギー効率設計指標)とは、1トンの貨物を1マイル運ぶのに必要なCO2のグラム数を示し、基準値(ベースライン)からの削減率が段階的に強化される。タンカーでは2015年(Phase1)に10%、2020年(Phase2)に20%、2025年(Phase3)に30%の削減が義務付けられている。
<関連プレスリリース>
※当社グループは事業活動を通じてSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を推進しており、環境負荷低減と安全運航に向けた取り組みもその一環です。
以上
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