シップ・オブ・ザ・イヤー2015「技術特別賞」を受賞
―日本初のLNG燃料船「魁(さきがけ)」で―
2016年7月7日
写真左から:
株式会社ウィングマリタイムサービス 専務取締役 井上正太
当社燃料グループ長 篠崎宏次
京浜ドック株式会社 代表取締役社長 庄司勉
当社所有のLNG(液化天然ガス)燃料タグボート(注1)「魁」が、公益社団法人 日本船舶海洋工学会によって選定される「シップ・オブ・ザ・イヤー2015」の「技術特別賞」を受賞しました。表彰式は本日、海運クラブ(東京都千代田区)で行われました。
シップ・オブ・ザ・イヤーの各賞は、毎年日本で建造された船舶の中から、技術的・芸術的・社会的に優れた船舶に与えられるもので、今回で26回目となります。これまで当社は、客船「クリスタル・ハーモニー」(現在の「飛鳥Ⅱ」)が1990年に、石炭船「SOYO(双洋)」が2013年に「シップ・オブ・ザ・イヤー」を受賞したほか、当社グループの日之出郵船株式会社所有のモジュール船「YAMATAI/YAMATO」がシップ・オブ・ザ・イヤー2010において特殊船部門の部門賞を受賞しています。
LNG運搬船を除き日本初のLNG 燃料船となる「魁」は、LNGに加え重油も燃料として使用可能な「デュアル・フューエル・エンジン」を搭載し、LNG 燃料使用時には重油使用時と比較し硫黄酸化物(SOx)排出量を約100%、窒素酸化物(NOx)排出量を約80%、二酸化炭素(CO2)排出量を約30%削減することができます。「魁」による「技術特別賞」の受賞に際しては、従来船と同様の船型や堪航性を確保しつつ実現された環境性能のほか、多くの日本メーカー、関係機関の協業による技術力が高く評価されました。
「魁」は当社グループの京浜ドック株式会社(本社:横浜市神奈川区、代表取締役社長:庄司勉)にて建造され(注2)、2015年8月の竣工以降、同じく当社グループ会社の株式会社ウィングマリタイムサービス(本社:横浜市西区、代表取締役社長:楠瀬俊一)により、主に横浜・川崎港で運航されています。
当社グループは中期経営計画 “More Than Shipping 2018~Stage 2 きらり技術力~” で掲げた技術力による差別化を推し進め、世界初のLNG燃料自動車専用船2隻とLNG燃料供給船の竣工や、LNG燃料販売事業への参画を予定しており、今後も船舶でのさらなる環境負荷低減に取り組むとともに、船舶用LNG燃料のさらなる普及と発展に貢献していきます。
(注1)タグボード
大型船の岸壁や桟橋への離着岸の補助を行う小型船。曳船(えいせん)とも呼ばれる。
(注2)
「魁」の建造にあたっては、経済産業省および国土交通省の平成25~27年度「省エネルギー型ロジスティクス等推進事業費補助金(革新的省エネルギー型海上輸送システム実証事業)」の補助対象事業として採択され支援を受けているほか、一般財団法人日本海事協会からも共同研究対象事業として支援を受けています。
<参考リンク>
1. 2013年12月24日発表 国内初、LNG燃料船の建造を決定
―CO2約30%、SOx100%排出削減へ―
https://www.nyk.com/release/2447/002943.html
2. 2014年3月7日発表 世界初、LNG燃料の自動車専用船2隻建造へ
―優れた環境性能と最高水準の耐氷仕様を持つ―
https://www.nyk.com/release/3131/003222.html
3. 2014年7月2日発表 世界初のLNG燃料供給船を建造
―GDFスエズ・三菱商事と共同でLNG燃料供給船保有及び船舶用LNG燃料販売事業に参入―
https://www.nyk.com/release/3131/003355.html
4. 2015年9月1日発表 日本初のLNG燃料船「魁」が竣工
―実運航の知見をもとにLNG燃料の普及・発展に貢献-
https://www.nyk.com/release/3560/004044.html
5. 2016年6月7日発表 横浜港における船舶用LNG燃料供給拠点整備に関する検討会へ参画―LNG燃料船の建造と運航の知見をもとに、日本での船舶用LNG燃料の普及・発展に貢献―
https://www.nyk.com/release/4207/004336.html
6. 2016年6月27日発表 第17回物流環境大賞の部門賞を受賞
-日本初のLNG燃料船「魁(さきがけ)」で-
https://www.nyk.com/release/4207/004357.html
以上
その後、予告なしに変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。