グリーンファイナンス:グリーンボンド

当社は、2018年3月に発表した中期経営計画“Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”において、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を事業戦略に取り込み、企業と社会の持続的な発展と成長を目指す戦略を策定しました。

当社はグリーンファイナンス(資金使途を環境改善効果のある事業に限定するファイナンス)を推進し、環境投資への取り組みを幅広いステークホルダーの皆さまに発信するとともに、環境負荷の低減を可能とする技術を通じて持続可能な地球社会の実現に貢献します。

2018年5月に外航海運会社として世界で初めてグリーンボンドを発行し、以降もファイナンス面から環境性能に優れた技術への投資を支えるために、グリーンローンの組成を継続的に行い、グリーンファイナンスの深度化を図っています。

日本郵船グリーンボンド概要

名称 日本郵船株式会社第40回無担保社債(日本郵船グリーンボンド)
発行日 2018年5月24日
条件決定日 2018年5月18日
発行年限 5年
発行額 100億円
クーポン 年0.290%
資金使途

当社が策定した環境対応船の技術ロードマップで予定する投資
(新規および一部リファイナンス)

  1. (1)液化天然ガス(LNG)燃料船
  2. (2)LNG燃料供給船
  3. (3)バラスト水処理装置
  4. (4)SOx(硫黄酸化物)スクラバー
社債要項
発行登録追補目論見書
社債格付 A (株式会社 日本格付研究所)

適格性に関する第三者評価

セカンドオピニオン

当社は本社債についてグリーンボンド発行のために「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2017」※1に即したグリーンボンドフレームワークを策定し、Vigeo SASが展開するVigeo Eirisよりセカンドオピニオンを取得しております。

Vigeo Eirisによるグリーンボンド評価では、SDGsの目標およびターゲットへの貢献についても評価されています。

環境省モデル発行事例

当社は本社債に関し、環境省の「平成30年度グリーンボンド発行モデル創出事業に係るモデル発行事例」に応募し、モデル発行事例として選定され、環境省とその請負事業者により「グリーンボンドガイドライン2017年版」※2との適合性についての確認を受けております。

  1. ※1グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2017
    グリーンボンド原則(Green Bond Principles)とは、国際資本市場協会(ICMA)が事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド原則執行委員会(Green Bond Principles Executive Committee)により策定されているグリーンボンドの発行に係るガイドラインです。
  2. ※2グリーンボンドガイドライン2017年版
    グリーンボンドの国内普及を目的とし、平成29年3月に環境省が策定・公表したガイドライン。世界的に広く参照される基準である国際資本市場協会のグリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、実務を担当する市場関係者の参考に資するよう、具体的な対応例や日本の特性に即した解釈を示しています。

投資表明投資家一覧

日本郵船グリーンボンドへの投資表明をして頂いた投資家をご紹介します。
(2018年5月18日時点、順不同)

  • トーア再保険株式会社
  • 三井住友信託銀行株式会社
  • 三菱UFJ信託銀行株式会社
  • 北海道労働金庫
  • 巣鴨信用金庫
  • 真岡信用組合
  • 岩手県信用農業協同組合連合会
  • しののめ信用金庫
  • 平塚信用金庫
  • 神奈川県信用農業協同組合連合会
  • 東信用組合
  • 学校法人関西大学
  • 名古屋テレビ放送株式会社
  • 一般社団法人 日本貨物検数協会
  • 福智町役場
  • 松岡地所株式会社

グリーンボンドフレームワーク

1.資金使途

当社は中期経営計画に於いて中長期環境目標(CO2削減目標)を定めています。
また、環境対応技術の長期的目標として環境対応船の技術ロードマップ(先のコメントと同様)を掲げています。本社債の資金使途を構成する各プロジェクトは、中長期環境目標の達成に資するとともに、環境対応船の技術ロードマップの重要な要素となっています。

(1)LNG燃料船

従来の重油ではなく、LNGを燃料に用いる船舶。重油焚きに比べ、CO2(二酸化炭素)を約30%、SOx(硫黄酸化物)・PM(排気微粒子)を約100%、NOx(窒素酸化物)を最大で約80%削減可能。

(2)LNG燃料供給船

LNG燃料船にLNG燃料を供給する船舶。

(3)バラスト水処理装置

バラスト水(船舶がバランスを保持するための海水。通常荷揚げ港で船底のタンクに注水、荷積港で排出される)に含まれる海洋生物を処理する装置。海洋環境に影響を及ぼす水生生物の越境移動を防ぎ、生物多様性の保全に寄与する。

(4)SOxスクラバー

船舶のエンジンから排出されるSOxを含む排気ガスに海水を噴霧し、硫黄分を除去する装置。

2.プロジェクトの評価及び選定プロセス

定められた基準に従い、対象となるグリーンプロジェクトを選定しています。

3.調達資金の管理

調達資金は適格グリーンプロジェクトに充当し、充当状況を管理します。
未充当資金については、現預金及び現金同等物として管理します。

4.レポーティング

資金充当完了まで、資金充当状況並びに環境改善効果につき年次で当社ホームページ及びNYKレポート(統合報告書)にて公表します。また、第三者機関による発行後レビューを資金充当完了まで受けその結果を公表します。

資金充当レポート

  • LNG関連(LNG燃料船、LNG燃料供給船)の一部に31億円充当
  • 規制対応関連(スクラバー、バラスト水処理装置)の一部に1億円充当
  • 上記に占めるリファイナンスの割合:75%

インパクトレポート

  2018年度
(1)LNG燃料船 1隻
GHG排出量 35,730 mt / 隻 / 年
GHG削減率 21%
CO2削減率 30%
NOx削減率 30%
SOx削減率 99%
(2)LNG燃料供給船 1隻
GHG排出量 3,647 mt / 隻 / 年
GHG削減率 15%
CO2削減率 30%
NOx削減率 76%
SOx削減率 99%
(3)バラスト水処理装置 1隻
処理量 348,000 mt / 隻 / 年
(4)SOxスクラバー -
SOx削減率 86% / 隻
  • インパクトレポートの対象期間は、当年4月1日から翌3月31日の1年間
  • 船舶数は、本社債発行から当該報告年度までの期間に資金を充当した隻数(但し竣工前の船舶は含まない)
  • 環境改善効果は、第三者機関Vigeo Eirisと合意した年次影響推計モデルを用いた理論値
  • GHG排出量、削減率は、メタンガスの排出を加味した数値

その他

当社はClimate Bonds Initiative※3が今後設置するワーキンググループに参加し、外航海運業者が発行するグリーンボンドの評価基準策定に協力しています。

  1. ※3Climate Bonds Initiative
    債券市場を通じて、気候変動問題の解決を目的とする国際NGO機関。グリーンボンドに関する情報発信とClimate Bonds Standardなどのグリーンボンド評価基準の策定や、政府、金融機関および事業会社に対する政策提言などを行う。