日本郵船グループ報「YUSEN」より“航跡”
第46回「ドライカレーと福神漬け」

郵船式の「ドライカレー」を食べたことがありますか?よく目にする、チャーハンのようにご飯と混ぜていためたのものとは異なり、ひき肉や野菜のみじん切りを煮詰めたものをご飯にかけて食べるこのドライカレーは、明治時代に当社の欧州航路船上で日本人コックが考案したと伝えられています。それを明確に証明する資料は残っていませんが、多くのOBが証言しており、まず間違いないでしょう。当館に収蔵されているメニューの中にも、古くは1911(明治44)年4月9日の欧州航路「三島丸」のディナーメニューに、“Lobster&DriedCurries”の文字を見つけることができます。  さて、今ではカレーに付き物の福神漬けですが、実はこの組み合わせもまた、当社が運航する客船上で考案されたといわれています。当初付け合わせに使用していたチャツネ※をピクルスに変えたところ、酸味が強くて日本人には不評でした。そこで福神漬けに切り替えると非常に好評で、次第に定番となって広まっていきました。1916(大正5)年に当社が相当数の福神漬けを仕入れていたこともそれを裏付けています。ただし、当時は福神漬けが高価であったため、三等船客にはたくあんを付け合わせとして出していました。
チャツネ:果物や野菜にスパイスやビネガーなどを加え熟成させたインド発祥の調味料。カレーやステーキ、煮込み料理などに幅広く使われる

三島丸
「三島丸」
「三島丸」のディナーメニュー
「三島丸」のディナーメニュー


Back Number 日本郵船歴史博物館

社内報「YUSEN」
2006年3月号

【表紙のことば】
身の回りにあるのに意外と知られていない石油製品は、主にこの蒸留塔から生まれます