船がサンフランシスコ港に入港するとき、ゴールデンゲートブリッジ、オークランドブリッジの2つのつり橋をくぐります。どちらの橋も世界恐慌の中、巨額の資金をかけて建設され、アメリカ自動車産業の一層の躍進を象徴するものとなりました。
 写真は「歴史上最もコストの掛かった橋」として評判を呼んだオークランドブリッジの下を通過する「龍田丸」です。橋が開通したのは1936年(昭和11)11月12日で、サンフランシスコ、オークランド両岸では盛大な開通式が行われました。
開通後初めて下を通過した商船として、その時の様子をとらえたものと思われます。橋の上にはクラシックなデザインの車列と人々、そして手前の岸にも立ち止まって眺める大勢の姿が見られます。遠くには翌年完成のゴールデンゲートブリッジがかすかに写っています。
 戦前のサンフランシスコ航路は「浅間丸」「龍田丸」「鎌倉丸」など豪華客船が活躍した定期航路の花形でした。客船全盛の時代背景をリアルに伝える貴重な写真です。
 

Back Number 日本郵船歴史資料館

社内報「YUSEN」
2003年4月号

【表紙のことば】
 野鳥も戯れるエイボン川はクライストチャーチ市内をゆっくりと流れ、旅人の疲れを癒(いや)し、住人の心を和ませてくれる。こんなにも穏やかで平和な街を訪れ、世界中の街が個性を持ちつつ、同じように平和であればと願わずにいられない。

ニュージーランドにて