この歌は、1928年(昭和3)に横浜からロンドンへ向う「箱根丸」で、偶然乗り合わせた2人の乗客によって作られました。作詞は、後に早稲田大学教授にもなった文芸評論家の本間久雄で、英国留学生として乗船していました。作曲は弘田龍太郎。『よさこい節』や「いらかの波と雲の波」の出だしで有名な『鯉のぼり』をはじめ、『靴が鳴る』『叱られて』『雀の学校』『春よこい』など、今も愛唱される童謡を数多く生み出した作曲家です。彼もまた、文部省在外研究員としてピアノと作曲を学ぶため、家族とともにドイツに向かう途上でした。
 「氷川丸」でも、『懐かしの氷川丸』という歌が乗組員によって作られました。この歌もきっと長い航海の間乗客の間で歌われ、旅の思い出として皆の胸に刻まれたことでしょう。


Back Number 日本郵船歴史資料館

社内報「YUSEN」
2002年6月号

【表紙のことば】
 ニュージーランドの南島にあるスポーツの拠点、クイーンズタウン。
 都会の喧噪(けんそう)と苛立(いらだ)ちは遙(はる)か彼方(かなた)。優雅で壮大な自然が、人も動物も、温かく、すっぽり包み込む。

(広報グループ 百瀬ユリ)