これは戦前のサンフランシスコ航路船の往航時、船長から船客に出された「Longevity Guarantee(長命保証書)」という証書の文面です。日付変更線を東へ越えて、日付が1日戻ることを表現したものですが、ラテン語で「時」を表す「Tempus」王が1日の「長生き」を認め、その証(あかし)として船長が保証書を出すという、実に物語的なスタイルをとっています。日付変更線通過の記念として配布され、船旅に彩りを添えていました。

 もう少しポピュラーなものに、赤道通過時の「Christening Certificate(命名書)」があります。こちらは「初めて赤道を越える船客が、三つ又の笏(しゃく)を持つ水界の支配者Neptunus王によって水界の名前を与えられ、赤道通過を認められる」という内容でした。もともと「命名」は、帆船時代に無風地帯である赤道を無事通過するための宗教的行事でしたが、次第にお祭りの要素が強い「赤道祭」となって、今でも「飛鳥」などの客船で多くの船客を楽しませています。


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社内報「YUSEN」
2001年11月号

 イタリア人の長所の一つに「美しいと感じると、その素晴らしさを褒めたたえること」が挙げられると思います。
 見事な演奏と演出に、興奮気味に話しかけるご婦人と、あまりの誉め言葉に少し照れてしまったバイオリン弾き。イタリアの広場でよく見る光景です。