時の羅針盤時の羅針盤

『THE TRAVEL BULLETIN』第一次世界大戦 殉難船員慰霊碑と慰霊祭

日本では、日露戦争や太平洋戦争のように声高に論じられることはあまりありませんが、昨年は第一次世界大戦の開戦から100年目に当たりました。第一次世界大戦中、NYKは陸軍、海軍だけでなく同盟国へも船舶を提供することを求められ、多くの犠牲を払いました。

『THE TRAVEL BULLETIN』1927年11月号では、第一次世界大戦中に戦禍に巻き込まれた「八阪丸」「宮﨑丸」「常陸丸」「徳山丸」「平野丸」について触れ、殉難船員慰霊碑と慰霊祭を取り上げています。

慰霊碑は、日高秩父(1853~1920)の書、第3代社長近藤廉平(1848~1921)の撰文(せんぶん)、東郷平八郎(1847~1934)の題額により、19年京浜間の名勝である鶴見總持寺(そうじじ)(神奈川県)に建立されました。建碑に際しては、近藤社長により祭文が朗読され、その内容は日本郵船50年史にも記されています。

慰霊碑は23年の関東大震災により倒壊してしまいましたが、27年に再建され、「平野丸」が撃沈された10月4日に慰霊祭が行われました。記事では、慰霊祭当日の式次第と第5代社長白仁武(1863~1941)による弔文も紹介されています。

「忘れ得ぬ戦争」である第二次世界大戦に対して、「忘れられた戦争」ともいわれる第一次世界大戦。戦争について振り返り、このような多くの犠牲を伴った悲惨な出来事が繰り返されないよう、人々の記憶にとどめておくことの大切さが強調されています。

1930年6月、バンクーバーで開催された一般公開の様子/氷川丸船内に飾られた肖像写真
『THE TRAVEL BULLETIN』:1920~41年、日本郵船が発行した英文広報誌。全195巻
グループ報「YUSEN」2015年8月号表紙

グループ報「YUSEN」
2015年9月号No. 697