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『THE TRAVEL BULLETIN』料理人と給仕の養成所

大正時代から昭和時代初期にかけて、横浜郵船ビルの日本郵船横浜支店に貨客船の料理人や給仕の養成所があったことをご存じですか。日本郵船では料理の質やサービスを一定の水準に保つため、明治時代後期ごろから教師が各船に乗船して指導に当たっていました。しかしその後、第1次世界大戦の好景気に伴う航路や就航船の増加からこの指導方法が困難となり、1916年12月「郵船事務部属員養成所」を開設しました。

『THE TRAVEL BULLETIN』1927年12月号では、養成所の歩みと授業内容について紹介しています。当時、養成所には16人の教師と技術指導員がおり、その中には養成所設立以前に欧州で本場の技術を習得した者もいました。

養成所の教習科目には学術(英語・算術)と実習があります。料理人・ベーカーのクラスは「冷蔵庫の構造」「材料の選定、取り扱いと保存法」「製菓、製パン」「調理器具の知識と取り扱い方」「メニュー作成」から「各航路における献立の策定」「寄港地ごとの食材の優劣」など船上のレストランならではの科目もあります。給仕のクラスでは「接客の心得」「船客の手荷物の取り扱い方」「家具、寝具、調度品などの取り扱い方」「メニューの読み方」などを学びました。

2カ月の研修を終えた生徒たちは船に戻り、養成所で学んだ専門性の高い技術、接客マナーで船上のお客さまをもてなしました。

上:「メニュー作成」の授業風景 右:洋食の実習
『THE TRAVEL BULLETIN』:1920~41年、日本郵船が発行した英文広報誌。全195巻
『THE TRAVEL BULLETIN』1927年12月号
早稲田大学図書館協力
グループ報「YUSEN」2014年7月号表紙

グループ報「YUSEN」
2014年7月号No. 683