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『THE TRAVEL BULLETIN』手拭い ~デザインの今昔~

手拭いの歴史は古く、鎌倉時代にはかぶり物として用いられていたそうです。江戸時代になると、綿花栽培の発展とともに木綿製の物は庶民の間に広く普及しました。水や汗を拭うといった実用的な用途だけでなく、贈り物や名刺代わり、おしゃれな小物として親しまれました。

図柄の多くは単調でシンプルなものでしたが、次第に花、鳥、植物など芸術的な要素が加わるようになります。明治以降は新しい染色技術が考案されて、多色刷りや複雑な図案が登場しました。

『THE TRAVEL BULLETIN』1934年2月号では、昭和初期にデザインされた図柄を取り上げています。7代目松本幸四郎(『勧進帳』の弁慶)、15代目市村羽左衛門(同、富樫)など当時の人気歌舞伎役者の顔や家紋の図柄が青、赤、茶、紫など華やかな色で染められていることを説明するほか、着物姿の美人画が描かれた手拭いをモダンなデザインとして掲載しています。

ここ最近手拭いブームが再来して、扱う店が増えているそうです。古典柄から新しい図柄まで種類豊富で、使い勝手の良い手拭い。皆さんお気に入りの1枚を見つけてみてはいかがでしょうか。

『THE TRAVEL BULLETIN』:1920~41年、日本郵船が発行した英文広報誌。全195巻。
『THE TRAVEL BULLETIN』1934年2月号
早稲田大学図書館協力
グループ報「YUSEN」2012年2月号表紙

グループ報「YUSEN」
2012年2月号No. 654
【表紙のことば】
子どもたちの笑顔と未来のために