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海風日記

横浜弌覧之真景

一寒村であった横浜は、1859(安政6)年に開港し、わずか数年の間で国際都市へと発展しました。1871(明治4)年に作られた「横浜弌覧之真景」には、ガス灯、製鉄所など文明開化の象徴が多く描き込まれ、沖には船が多数浮かびその発展ぶりがよく分かります。

中でも、作品上の別図(1)に描かれた吉田橋は、港の入り口となる重要な橋で、この橋を挟んで港側を関内、現在の伊勢佐木町側を関外と呼んでいました。1869(明治2)年に英国人技師リチャード・ブラントンによって架け替えられましたが、トラス構造を取り入れた鉄橋としては日本で最初のもので、当時、鉄の橋がいかに衝撃的であったかを伝えています。

この絵の作者は五雲亭貞秀(ごうんていさだひで、1807~1879?)。晩年の65歳の時に描いた一点です。歌川国貞(1786~1865、のちの三代目歌川豊国)の門人となり、歌川貞秀を名乗りましたが、他にも多くの呼び名を用いました。

この作品で貞秀は、色使いも美しく、あらゆる角度、高度から横浜を見下ろし、現在の山下公園の沖合いに見える神奈川宿、桜木町方面の日本人居住区、元町方面の外国人居留地から中村川を挟み、山手とその先の根岸村の様子まで克明に描いています。この絵から現在の場所を確認するのも楽しいでしょう。