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日本郵船氷川丸『「氷川丸」に行ってみよう!』日本郵船氷川丸『「氷川丸」に行ってみよう!』
「氷川丸」の船内郵便局「氷川丸」の船内郵便局
MAIL ROOMの金属プレート/郵便物専用倉庫内/チャブ社製の鍵/船内に設置された郵便ポスト/「氷川丸」の絵葉書と「秩父宮雍仁親王同妃両殿下御帰朝記念」の風景印

現在のように航空便が発達していなかった20世紀初頭、日本から外国、外国から日本への郵便物はすべて船舶で運送されており、「氷川丸」の船内にも官設郵便局※1が設けられていました。そこには郵便局員2名が常駐し、シアトル(米国)からの復路では、窓のない狭い郵便物専用倉庫で国内向けの郵便物の仕分けをしていました。

「氷川丸」の郵便物専用倉庫は、現在直接ご覧いただくことはできませんが、MAIL ROOMと記された扉の奥は、内壁を柔らかい木材で格子状に覆った部屋になっています。航行中は、室内の通風管や鉄扉も同様の木材で隙間なく覆われていました。おそらく郵便物を湿気から守るためだったのでしょう。室内にはロッカーのような木製の棚が設置されており、品川、函館といった地名を見ることができます。倉庫の扉にはチャブ社(英国)製の鍵が使用されていました。この鍵が一等船客の手荷物保管室や食料倉庫の鍵と同じものであったことから、郵便物が厳重に保管されていたことがうかがえます。

このほか船内郵便局では乗客の楽しいお土産として、船内から発送される郵便物に、乗船記念の風景印を押していました。1937年には、秩父宮ご夫妻がビクトリア港(カナダ)から「氷川丸」に乗船された帰朝記念として、特別な風景印が作られました。

現在も船内には、郵便ポストが当時の佇まいのまま残されていて、近くで見ることができます。氷川丸を訪れて当時の雰囲気を味わってみませんか。

※1 官設郵便局
国が設立、管理した郵便局

グループ報「YUSEN」2014年6月号表紙

グループ報「YUSEN」
2014年6月号No. 682