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博物館へようこそ博物館へようこそ
上:日米交換船「淺間丸(I)」船上にて、NYK社員の集合写真 下:日米交換船 'Gripsholm'(米国側)
企画展「日米交換船とその時代 1942」

太平洋戦争中、全ての商船は国家の統制下に置かれていました。かつて華々しく航海した客船は陸軍、海軍に徴用され、中には航空母艦へと改造されるものもありました。この戦争の最中、そうした軍事徴用を一時解かれ、2カ月にもわたる歴史的航海の大役を果たした交換船という船が存在したことをご存じでしょうか。

交換船とは、戦時国際法にのっとり、相手国に残された人々を中立国の港で交換し合った船のことで、その重責を伴う運航を日本郵船も託されました。開戦時、それぞれの相手国には外交官をはじめ、ジャーナリスト、企業駐在員、学者、学生など数多くの自国の人々が暮らしていました。交換船はわずかな中立国を頼りに、国交が断絶した国から、彼らを安全にそれぞれの自国に帰すという困難極まる歴史的航海をしたのです。またこの交換船には、経済学者 都留重人(1912~2006)や哲学者 鶴見俊輔(1922~)をはじめとする、戦後日本を代表する多くの知識人たちが乗り合わせていたという興味深い事実もあります。

本展ではこの交換船を中心に、商船が戦争に巻き込まれていった時代背景についても紹介します。今からちょうど70年前、太平洋戦争という困難な時代に、船会社が懸命に果たした人道的支援の一端を、ぜひご覧ください。

グループ報「YUSEN」2012年9月号表紙

グループ報「YUSEN」
2012年9月号No. 661
【表紙のことば】
「奇跡の一本松」が教えてくれたこと